ヘルクレスオオカブト(南アメリカ、コロンビア産)【表紙】
動物担当 大原賢二
甲虫(こうちゅう)類(甲虫目または鞘翅目(しょうしもく))は、力ブトムシ やクワガタムシなどのなかまです。背中に硬いヨロイをつけているように見えますが、これは前ばねが硬くなって腹部を覆(おお)っているもので、ほとんどのものは背中側から見ても腹部は見えません。甲虫類は昆虫の中でも、もっともなかまの多いグループで世界でおよそ40万種が知られています。
最近、外国産の力ブトムシやクワガタムシの多くの種が、許可をもらえば日本へ生きたまま持ち込んでもかまわないことになりました。そのため、上の写真のように、これまでは標本でしか見ることのできなかった外国産の種を、生きたまま見ることができるようになっています。これはとてもうれしいことですが、一方では、外国のクワガタムシが、野外で見つかる例も増えてきています。はたして日本の力ブトムシやクワガタムシとの関係がどうなるのかはまだよくわかっていません。日本のものと混ざることがあるかもしれませんし、ほかのいろいろな種に対してどのような影響(えいきょう)があるかもわかりません。飼育するときは、最後までちゃんと責任を持って飼いたいものです。