ムササビ【表紙】

動物担当 佐藤陽一

ムササビ

本種は本州、四国および九州に広く分布し、巣穴(すあな)となる樹洞(じゅどう)のある樹木さえあれば、人里近くにも生息(せいそく)します。当館のある文化の森総合公園内にも住んでいます。よく発達した前歯(門歯(もんし))と尾を見ればわかるように、リスの仲間(ネズミ目リス科)です。この歯で硬いツバキの実やドングリを食べることができます。また、よく知られているように、首から尾の付け根にかけてある皮膜を広げて滑空(かっくう)することができ、時には180mも飛ぶことがあるといわれています。その際、 長い尾は姿勢を安定させるのに役立ちます。手足には鋭い爪(つめ)があり、樹の幹(みき)に引っかけて体を固定することができます。写真には写っていませんが、指の数は前足に4本、後ろ足に5本あります。しかし、骨格を見ると前足にもきちんと5本分の指の骨があることがわかります。このように、骨格から外見ではわからなかった特徴がよくわかります。

企画展「動物大集合」では当館が収蔵するさまざまな動物標本を展示します。捕乳(ほにゅう)類や鳥類については、剥製(はくせい)標本だけでなく、骨格標本もいっしょに展示しますので、ぜひ見比べてみてください。

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