博物館ニューストップページ博物館ニュース079(2010年6月25日発行)Q.・・・藍玉(あいだま)とはどんなものですか?(079号QandA)

Q.藍玉(あいだま)とはどんなものですか?【レファレンスQandA】

みなさんは、藍染めを体験したことがありますか?藍染めは、アイという植物(図1)の葉をかわかし、発酵(はっこう)させた「蒅(すくも)」という染料でつくった染め液に、糸や布をひたして行います。

図1アイ(通称タデアイ)2010年5月12日撮影

図1アイ(通称タデアイ)2010年5月12日撮影

 

畑で育て刈り取ったアイを、細かく刻み、茎の部分を取り除き、乾燥させたものを「葉藍(はあい)」(図2)といいます。この葉藍に水を注ぎ入れ、むしろをかぶせて寝せ込み、水が蒸発(じょうはつ)したらかきまぜ、再び水を注ぎ、むしろをかぶせて寝せ込む。こういった作業を約100日の間、繰り返して、葉藍を十分に発酵させると蒅が完成します。黒っぽい、小さな土の塊(かたまり)のような状態になります(図3)。

図 2 葉藍

図 2 葉藍

図3すくも

図3すくも

 

さて、藍玉は?といいますと、できがった蒅を臼(うす)で搗(つ)き固め、乾燥させたものを藍玉といいます。玉藍(たまあい)ということもあります。

徳島は藍染めの染料の産地として有名です。藍の生産が盛況(せいきょう)だった江戸時代ごろには、蒅をさらに加工して、藍玉の状態にしたものが出荷されていました。蒅の状態で出荷するよりも利益が大きかったためと考えられています。

展示している藍玉は、一辺が2~6cmぐらいの四角い塊です(図4)。四角いのにどうして藍玉と呼ぶかといいますと、古くは搗き固めて、丸い状態で出荷していたからだそうです。その後、搬送中の損そん傷しょうを少なくするために、図4のような角状にして出荷するようになったそうです。蒅を大きな臼で搗き固めたあと、切り取ってざるにうつし、俵(たわら)につめて出荷していました。

図4藍玉

図4藍玉

現在では、藍玉を作ることはほとんどありません。染め液をつくる時に細かくくだく必要のない、蒅の状態で出荷されています。

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