博物館の常設展がリフレッシュしました。【速報】
植物担当 茨木靖
今年は文化の森が開園してから20周年の節目の年です。これまでにとてもたくさんの方々にご利用いただいている常設 展ですが、長い時間が経過したためにあちらこちら傷んできたり、学問の進歩によって内容が古くなって来たりしている部分 があるのが否めません。そこで博物館では、この節目の年に“ 常設展リフレッシュ事業” を立ち上げ、部分的に展示を新しく しました!まだまだリフレッシュ事業は進行中ですが、すでに変更した部分のいくつかを皆さんにご紹介していきましょう!
その1 恐竜の系統樹が変わった!
爬虫(はちゅう)類・哺乳(ほにゅう)類・鳥類などの系統研究は、この10数年間のあいだにとても大きな進歩がありました。博物館ができた頃には、鳥は恐竜とは別の系統のものと言われていましたが、いまでは鳥は恐竜の一部のグループから進化したとする見方が普通となっています。そこで、壁の系統樹が大変身しました。また初めて嘴(くちばし)を持ったとても原始的な鳥“孔子鳥(こうしちょう)(図1)” がお目見えしました。
図1 孔子鳥の化石
その2 化石資料がより充実!
開館当初は資料が少なかった新生代の化石資料。開館後はコレクターなどからの寄贈も多く、資料が充実してきました。そこでこれらの資料を有効に展示できるように化石のコーナーにケースを増設しました。ここではホオジロザメの歯やコンボウカニモリ類似種など新しい化石を見ることができます(図2)。
図2ホオジロザメの歯の化石
その3 人類の最古の足跡が登場!
人類の進化史に関する分野は、とくに著しく研究が進んでいます。どのようにして人類が進化してきたのかはとても興味深いですよね?このコーナーでは、実際に約360万年前の初期の人類が歩いた足跡のレプリカ(図3)をご覧いただけます。
図3人類最古の足跡(複製)の一部
その4 近世美術のコーナーを設置!
徳島に関連する江戸時代の美術品(おもに絵画)を専門に展示するコーナー(図4)を新設しました。これによって皆さんにもっと身近に徳島の美術に触れていただけるようになりました。
図4新設された近世美術のコーナー
その5 近代部落史のコーナーを新設!
博物館では、開館以来部落史に関連する展示を積み重ね、資料を蓄積してきました。そこで、これらの資料をもとに、同和問題について考える助けとなるよう、新たなコーナー(図5)を設置しました。
図5新設された近代部落史のコーナー
以上、これまでに行われた“ 博物館常設展リフレッシュ事業” の一部をご紹介しました。この他にも小さな展示替えがまだまだあちこちにあります。リフレッシュした博物館でどこが変わったか探してみましょう!