博物館ニューストップページ博物館ニュース081(2010年12月1日発行)Q.バナナが光るって本当ですか?(081号QandA)

Q.バナナが光るって本当ですか?【レファレンスQandA】

植物担当 小川誠

A.はい、光ります。ただ、ホタルのように自分で光を出すわけではありません。

バナナの実は熟すると黄色くなりますが、さらに熟していくと黒い点ができます(図1B 矢印)。それはシュガースポットと呼ばれ、甘くなった目印とされていますが、紫外線を当てるとその周辺だけが蛍光(けいこう)を発して光ります(図1D 矢印)。

図1 通常光で撮影したバナナ (A) とその拡大 (B) 紫外線を当てて撮影したバナナ (C) とその拡大 (D)

紫外線は太陽や蛍光灯などいろいろな光に含まれてますが、それらの光では明るすぎてバナナが光っているのはわかりません。そこで、暗い場所で紫外線を発生するライトの光を当てます。そのライトは一般的にはブラックライトと呼ばれて売られていて、最近では、LEDのブラックライトも入手しやすくなっています。100円ショップでは簡易のブラックライトが「マジックライトペン」などの商品名で売られています。

バナナのシュガースポットの周辺が紫外線で光るのは、皮に含まれているクロロフィル(葉緑素)が分解する途中で、紫外線で蛍光を発する物質になると言われています。シュガースポットの黒い部分は、完全にクロロフィルが分解してしまった後なので、光りません。よく観察してみるとバナナの柄に傷がついたところも線状に光っていました。

モンシロチョウに紫外線を当てると、雄と雌で羽根の模様がまったく違って見えます。人の目では見られない紫外線を昆虫は見ることができ、モンシロチョウもそうした紫外線による光り方の違いで雄と雌を見分けているようです。また、紫外線をいろいろな鉱物に当てると普通の光とは違った色に見えます。たとえば、博物館に展示してある硫黄(いおう)に紫外線を当てると、黄色の硫黄がオレンジ色に光って、とてもきれいです。

このように、身の回りのいろいろなものに紫外線を当ててみると面白いかもしれません、なお、観察の際には危険ですので、ブラックライトの光は絶対に直接見たり、目に当てたりしないでください。

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