博物館ニューストップページ博物館ニュース091(2013年6月25日発行)急増中!特定外来生物 ナガエツルノゲイトウ(091号速報)

急増中!特定外来生物 ナガエツルノゲイトウ【速報】

植物担当 茨木靖

先日、水路の中にナガエツルノゲイトウらしき植物があるので、確認してほしいという依頼がありました。この植物、水路をふさぐなどの被害があることから、全国で問題となっており、外来生物法によって特定外来生物にも指定されています。この機会に、環境省の外来生物対策室に詳しくお話を伺うことにしました。

Q 特定外来生物ってなんですか?

A 外来生物法※1に基づき、日本の生態系や人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼす、又はそのおそれがあるとして指定されている外来生物※2のことです。原則として輸入や飼育等(飼育、栽培、保管及び運搬)、譲り渡し等、野外に放つことなどが禁止され、違反すると個人の場合3 年以下の懲役(ちょうえき)もしくは300万円以下の罰金となります。ちなみに、ナガエツルノゲイトウの場合、種子と茎と根が特定外来生物とされています。ですから種子のついていない花だけや葉だけならば、移動しても違法にはなりません。

Q ナガエツルノゲイトウは、勝手に駆除(くじょ)しても良いのですか?

A 駆除は、誰でも自由に行うことができますが、特定外来生物を生きたまま他の場所に運ぶことは、法律で規制されています。駆除した特定外来生物は、原則、その場で枯死(こし)させたうえで処分するか、ごみ収集業者に回収に来てもらってください。その場で枯死させる場合にも、種子や茎などが周辺に飛び散ってしまわないように、覆(おお)いをかけたり、袋に詰めるなどしてください。

Q 知らずにナガエツルノゲイトウを持ち帰り、あとから特定外来生物とわかったらどうすればいいのですか?

A 二重にビニール袋に入れ、しっかりくちをしばるなどしたうえで、速やかに近くのゴミ集積所に出してください。

以上、特定外来生物について調べてみました。この他にも、ナルトサワギク、ボタンウキクサ、アライグマ、ウシガエル、オオクチバス、セアカゴケグモなど、105 種類が特定外来生物に指定されていますので、皆さんご注意ください。

 

図1 ナガエツルノゲイトウ。陸上に生えたもの

図1 ナガエツルノゲイトウ。陸上に生えたもの

図2 水面に広がるナガエツルノゲイトウ。

図2 水面に広がるナガエツルノゲイトウ。




※1 正式名称:特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律
※2 外来生物法では、日本に本来の生息地や生育地を持たず、海外から導入される生物を「外来生物」としています。

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