博物館ニューストップページ博物館ニュース105(2016年12月1日発行)古代の彩(いろど)り 徳島の朱(しゅ)(105号特別陳列)

古代の彩り 徳島の朱【特別陳列】

弥生時代後期から古墳時代中期(今から約2000年前から1500年前)を中心とする時期、日本列島では、死者を葬(ほうむ)る儀礼のなかで、水銀朱(すいぎんしゅ)やベンガラなどの「朱(しゅ)(赤色顔料)」を大量に使用する風習がありました。阿南(あなん)市若杉山遺跡(わかすぎやまいせき)は、日本列島では唯一、発掘調査がおこなわれている弥生時代の辰砂(しんしゃ)(水銀朱の原料となる鉱物)採掘鉱山跡です。

この特別陳列では、若杉山遺跡をはじめ、近年、調査が進められている阿南市内の赤色鉱物採掘遺跡の出土品や、鮎喰(あくい)川・吉野川下流域の集落跡や古墳から出土した、水銀朱に関わる資料を展示します。さらに、自然科学的な手法を用いて、水銀朱・ベンガラの分析を行うとともに、水銀朱の精製工程を復元します。
展示をとおして、赤色顔料の生産・流通・消費のあり方や、自然科学的な分析といった様々な視点から、古代の朱に迫りたいと思います。

会期

平成28年12月3日(土)から12月25日(日)まで(月曜休館)

会場

徳島県立博物館1階 企画展示室

開館時間

午前9時30分から午後5時00分まで

主催

徳島県教育委員会(県立博物館・教育文化課)

協力

阿南市

観覧料

無料

辰砂原石(阿南市水井町採集):当館蔵

辰砂原石(阿南市水井町採集):当館蔵

水銀朱の塗られた石棺(徳島市犬山天神山古墳):徳島県立埋蔵文化財総合センター提供

水銀朱の塗られた石棺(徳島市犬山天神山古墳):徳島県立埋蔵文化財総合センター提供

水銀朱の付着した石杵(徳島市名東遺跡):徳島県立埋蔵文化財総合センター蔵

水銀朱の付着した石杵(徳島市名東遺跡):徳島県立埋蔵文化財総合センター蔵

 

辰砂鍋(香川県上天神遺跡):香川県埋蔵文化財センター蔵

辰砂鍋(香川県上天神遺跡):香川県埋蔵文化財センター蔵

水銀朱の付着した銅鐸(阿南市伝長者ヶ原1号銅鐸):当館蔵

水銀朱の付着した銅鐸(阿南市伝長者ヶ原1号銅鐸):当館蔵

展示構成

Ⅰ 朱を求めた人々
 展示資料:徳島市節句山古墳出土四獣鏡など

Ⅱ 朱とは何か~自然科学的分析から~
 展示資料:大和産辰砂原石など

Ⅲ 朱を産む山
 展示資料:阿南市若杉山遺跡出土石杵・石臼など

Ⅳ 徳島を彩る朱
 展示資料:徳島市名東遺跡出土石杵、鳴門市萩原一号墓出土供献土器、徳島市犬山天神山古墳・鶴島山古墳出土人骨など

関連行事

展示解説

日時

①平成28年12月4日(日)

②平成28年12月25日(日)

14:00~15:00

会場

徳島県立博物館1階 企画展示室

対象

小学生から一般

備考

無料、申し込み不要

講演会

朱を考古学する partⅡ―邪馬台国時代の徳島と朱―

日時

平成28年12月17日(土) 13:30~17:00

会場

文化の森・イベントホール

講師

徳島大学大学院教授 石田啓祐 氏

徳島文理大学教授 大久保徹也 氏 

対象

小学生から一般

備考

無料、申し込み不要、定員300人

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