古代の彩り 徳島の朱【特別陳列】
弥生時代後期から古墳時代中期(今から約2000年前から1500年前)を中心とする時期、日本列島では、死者を葬(ほうむ)る儀礼のなかで、水銀朱(すいぎんしゅ)やベンガラなどの「朱(しゅ)(赤色顔料)」を大量に使用する風習がありました。阿南(あなん)市若杉山遺跡(わかすぎやまいせき)は、日本列島では唯一、発掘調査がおこなわれている弥生時代の辰砂(しんしゃ)(水銀朱の原料となる鉱物)採掘鉱山跡です。
この特別陳列では、若杉山遺跡をはじめ、近年、調査が進められている阿南市内の赤色鉱物採掘遺跡の出土品や、鮎喰(あくい)川・吉野川下流域の集落跡や古墳から出土した、水銀朱に関わる資料を展示します。さらに、自然科学的な手法を用いて、水銀朱・ベンガラの分析を行うとともに、水銀朱の精製工程を復元します。
展示をとおして、赤色顔料の生産・流通・消費のあり方や、自然科学的な分析といった様々な視点から、古代の朱に迫りたいと思います。
会期
平成28年12月3日(土)から12月25日(日)まで(月曜休館)
会場
徳島県立博物館1階 企画展示室
開館時間
午前9時30分から午後5時00分まで
主催
徳島県教育委員会(県立博物館・教育文化課)
協力
阿南市
観覧料
無料
辰砂原石(阿南市水井町採集):当館蔵
水銀朱の塗られた石棺(徳島市犬山天神山古墳):徳島県立埋蔵文化財総合センター提供
水銀朱の付着した石杵(徳島市名東遺跡):徳島県立埋蔵文化財総合センター蔵
辰砂鍋(香川県上天神遺跡):香川県埋蔵文化財センター蔵
水銀朱の付着した銅鐸(阿南市伝長者ヶ原1号銅鐸):当館蔵
展示構成
Ⅰ 朱を求めた人々
展示資料:徳島市節句山古墳出土四獣鏡など
Ⅱ 朱とは何か~自然科学的分析から~
展示資料:大和産辰砂原石など
Ⅲ 朱を産む山
展示資料:阿南市若杉山遺跡出土石杵・石臼など
Ⅳ 徳島を彩る朱
展示資料:徳島市名東遺跡出土石杵、鳴門市萩原一号墓出土供献土器、徳島市犬山天神山古墳・鶴島山古墳出土人骨など
関連行事
展示解説
日時
①平成28年12月4日(日)
②平成28年12月25日(日)
14:00~15:00
会場
徳島県立博物館1階 企画展示室
対象
小学生から一般
備考
無料、申し込み不要
講演会
朱を考古学する partⅡ―邪馬台国時代の徳島と朱―
日時
平成28年12月17日(土) 13:30~17:00
会場
文化の森・イベントホール
講師
徳島大学大学院教授 石田啓祐 氏
徳島文理大学教授 大久保徹也 氏
対象
小学生から一般
備考
無料、申し込み不要、定員300人