徳島はカタツムリ王国【特集 新常設展の私のイチオシ!】

歴史担当 山田量崇

来年8月に予定されている新常設展のグランドオープン。そこでは、新たにカタツムリにフォーカスした展示を予定してします。なぜカタツムリなのでしょうか。実は、徳島はカタツムリの王国なのです。皆さんご存知でしたか?
カタツムリとは、陸に生息する貝のなかまのことで、陸貝(りくがい)とも呼びます。日本で知られている約800種のカタツムリのうち、実に170種以上が徳島にいます。しかも世界で徳島にしか生息していない固有のカタツムリが9種も存在します。

「徳島の自然とくらし」コーナー(リニューアル後のイメージ)

「徳島の自然とくらし」コーナー(リニューアル後のイメージ)

徳島固有のカタツムリ

徳島固有のカタツムリ

そのひみつは、特徴的な地質構造と豊富な降水量にあります。県内には、石灰岩が地表に露出している場所が多数あります。カタツムリは石灰岩の主成分である炭酸カルシウムを食べて殻を作るため、雨が豊富で石灰岩地(がんち)の多い徳島はたいへんすみやすいところです。しかも石灰岩があちこちに離れて存在していることから、自力で遠くへ移動できないカタツムリは、それぞれの場所に隔離され、気の遠くなるほどの長い年月をかけて独自に進化をとげました。こうした特有の自然環境が、カタツムリのすばらしい多様性を育み、その地域にしかいない固有種も生み出したのです。

カタツムリのコーナーは、「徳島の自然とくらし」に新設します。リニューアル後には、徳島がほこる多様なカタツムリを皆さんに知ってもらいたく、できる限りたくさん展示しようと準備しています。

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