博物館ニューストップページ博物館ニュース031(1998年6月25日発行)平成10年度第2回企画展「チョウとガーウロコをもった昆虫たちー」(031号企画展)

チョウとガーウロコをもった昆虫たちー【企画展】

昆虫の中で、甲虫類に次いで、2番目に種数の多いのが、チョウとガのなかまです。現在までにおよそ17万種が知られており、きわめて種数の多いグループなのです。日本では約5千種ほど知られています。 このグループを鱗翅目(リんしもく)と呼びますが、少しむずかしいので、文部省などで定めた生物の分類表などには「チョウ目」あるいは「チョウ・ガ目」となっています。

鱗翅目というのは、ハネにウロコをもった昆虫、という意味があり、このグループを示す分類学の用語であるLepidopteraを日本語に訳したものです。Lepido-はウロコで、-pteraはハネを意味するギリシャ語からきています。

イシガケチョウ

イシガケチョウ


このなかまの一番の特徴は、ウロコ状のものでおおわれた体です。その一つ一つが鱗粉(りんぷん)とよばれ、扁平でウロコのような形をしています。もともとは1本1本が毛なのですが、それが平らになり、複雑な構造を持つウロコ状のものに変形しています。このウロコ状のものがびっしりとハネを覆っていて、それぞれに色があったリ、光を反射することによって、あのような美しいハネの模様を作っているのです。
もう一つの特徴は、口の形状です。植物と密接に関係した生活をおくるこのなかまは、ゼンマイ状になった口器をもっていて、噛む口から吸う口へと進化を遂げたグループなのです。この口の形状は99.9%の種にはあてはまるそうですが、ごく少数ながら、今でも噛む口をもったガもいます。
今回は、このチョウとガのなかまの標本をできるだけたくさん展示し、どのようなチョウやガがいるのかを皆さんに知っていただきたいと考えています。

アサギマダラ

アサギマダラ

 

主な展示資料

世界の大型ガ類標本
小さなガと大きなガ
日本産チョウ類標本(ほぼ全種)
徳島県のチョウ
東南アジアのチョウ
南米のチョウ
沖縄のシロオビアゲハの擬態
リュウキュウムラサキの地域ごとの標本
海を渡るチョウ:アサギマダラ
など多数の標本

リュウキュウムラサキ

リュウキュウムラサキ

 

会期

1998年7月18日(土)~8月30(日)
※休館日7.21(火)、およびそれ以降の毎月曜日

会場

当館企画展示室

観覧料

一般200円/高校・大学生100円/小・中学生50円(20名以上の団体は2割引き)

関連行事

展示解説

日時

7月25日 (土)14:00~15:00

会場

企画展示室(観覧料必要)

講師

館学芸員

カテゴリー

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