阿波町北岡の屋台再生【表紙】
民俗担当 磯本宏紀
この写真の屋台は、阿波町北岡地区の秋祭りで昭和52年まで使われてきたものです。去る10月19日(日)、地区総出の屋台組み立て作業が行われました。若者の減少から屋台を曳(ひ)くこともなくなり、あるお宅の倉庫でれ眠り続けていました。その部材を掘りおこし、組み立てていきました。
この日の作業の主人公は、かつて屋台に乗って太鼓(たいこ)を叩(たた)いた子どもたちであり、屋台を曳いて他地区と競いあった若者たちでした。そして、この日はじめて屋台を自にしたお父さんたちも組み立て作業に加わりました。屋台が完成に近づくにつれ、子どもたちの瞳に一段と輝きが増していったのは印象的でした。その日の夕方、正面に夕日を受けながら何世代もの「子どもたち」が並んで記念撮影をしました。地区の歴史が刻まれた一瞬だったのかも知れません。
この屋台、10月24日の秋祭りの日まで地区内で展示された後、当館に寄贈していただきました。