博物館ニューストップページ博物館ニュース057(2004年12月1日発行)博物館と学校との連携(057号情報ボックス)

博物館と学校との連携【情報ボックス】

普及担当 古東謙司

1 はじめに

現行の学習指導要領によると、総合的な学習の時間のねらいは、「自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てる」、「学び方やものの考え方を身につけ問題の解決や探求活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにする」こととされています。そして、各学校では具体的な学習活動を展開するにおいて「学校図書館の活用、…(中略)…博物館等の社会教育施設…(中略)…の積極的な活用について」工夫することとなっています。
このような学習指導要領の改訂を受けて、博物館を利用する学校が少しずつ増えてきています。博物館では、「博学連携」を進める立場から、以下のようなさまざまな取り組みを行っています。

2 博物館の学校教育支援事業

(1)出前授業

学校での授業に学芸員が講師として教室に出向きます。より詳しく子どもに教えたい、子どもの興味・関心を高め学習意欲の向上を図りたいといった希望がある場合、先生とのティームティーチングにより、博物館資料を活用して子どもの理解を深めるように支援します。
平成15年度は14校で合計19固(小学校16、高校1、養護学校2)実施しました。内容としては「火おこし」や「土器づくり」などが6回、「水生昆虫かんさつ」、「地層と化石」などが13固でした。今年度は10月末までに12校で合計17回(すべて小学校)実施しています。

(2)館内授業

理科や社会科学習で実物体験をしたり、総合的な学習の研究や調査をするときに博物館の展示物や資料を活用できます。希望により、展示されていない資料を見学してもらったり、学芸員による解説も行います。平成15年度は6校で合計8回(小学校6回、高校、養護学校名1回)実施しました。内容は社会科5回、総合学習2回、理科1回でした。今年度は10月末現在、小学校2校が利用しています。

(3)職場体験の受け入れ

総合的な学習の時聞が各学校において定着するにつれ、かつては高校生が行っていた職場体験を中学生が行うことも珍しくなくなりました。博物館としても、申し出のある学校に対しては日程を調整しながら受け入れています。しかしながら、一度に多くの人数を受け入れることはむずかしく、その点は学校現場にご理解いただいております。
内容としては、化石のクリー二ングや植物標本の作製と整理、普及行事の準備等を体験してもらっています。平成15年度は3校(高校2校、中学校1校)でしたが、今年度は4校(高校、中学校名2校)の生徒が職場体験を行っています。

(4)その他

以上の他にも、資料の貧し出しゃ教員研修の受け入れ、リーフレッ卜作成・配布等を行い、可能な限り学校教育で博物館を利用していただこうと努力しています。紙面の都合上、詳しくはご紹介できませんが、徳島県立博物館ホームページ(http://www.museum.comet.go.jp)をご覧いただければと思います。

3 おわりに

博物館の学校教育支援事業の一部を簡単に紹介しましたが、十分にお伝えできなかった部分もあります。今後、今まで取り組んでいる事業の実績を評価し、さらに中身の濃いものに改善していきたいと考えています。皆様のご理解とご指導をお願いします。

出前授業の風景

出前授業の風景

館内授業の風景

館内授業の風景

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