『徳島の銅鐸』初の徳島県内出土銅鐸ガイドブック!!【情報ボックス】
保存科学担当 魚島純一
銅鐸(どうたく)は、今から2000年ほど前の弥生時代につくられた青銅器のーつで“謎(なぞ)の青銅器”とも呼ばれています。何に使われたのかははっきりとしませんが、おそらく稲作のまつりに使われた道具ではないかと考えられています。徳島県からはこれまでにおよそ50個の銅鐸が出土したとされています。これは、加茂岩倉(かもいわくら)遺跡で知られる島根県に次ぎ、大岩山(おおいわやま)遺跡を擁(よう)する滋賀県や絵画銅鐸で有名な桜ヶ丘(さくらがおか)銅鐸の兵庫県と並び、全国でも有数の銅鐸出土地であることを意味しています。
今回、徳島県立博物館が発行する徳島の自然と歴史ガイドシリーズの第5弾として『徳島の銅鐸』が刊行されました。これは、徳島県内出土銅鐸のうち、所在が明らかな32点すべての写真を掲載(けいさい)した、はじめての徳島県内出土銅鐸のガイドブックです。
原則として一つの銅鐸で見聞き2ページを使い、A・B面と側面の写真を掲載し、型式、出土地、大きさなどの情報も一目で分かるようになっています。出土当時の貴重な写真や今回はじめて公開される写真も含まれているほか、赤色顔料が付着した銅鐸の分析結果や、一部の銅鐸ではX線(レントゲン)透過(とうか)写真などの徳島県立博物館がこれまでに行ってきた調査成果も掲載しています。
博物館2階の常設展入口の受付力ウンターや1階ミュージアムショ、ソプに見本が置いてありますので、せもひ一度手に取ってご覧ください。大きな力ラ一写真を見て、銅鐸の謎解きに挑(いど)みながら、少しでも郷土徳島の歴史に関心を持っていただけるとうれしいです。
徳島の自然と歴史ガイドNo.5
『徳島の銅鐸』
●A4判 72ページ
●徳島県内か5出土した銅鐸32点・小銅鐸1点の写真を掲載(A・B面、側面など)
●付着赤色顔料の蛍光X線分析による分析結果
●×線透過写真
●徳島県内出土銅鐸関連文献リスト
●徳島県内出土銅鐸一覧表 など