博物館ニューストップページ博物館ニュース074(2009年3月25日発行)世界最大のシーラカンス マウソニア・ラボカティ(復元骨格)(074号表紙)

世界最大のシーラカンス マウソニア・ラボカティ【表紙】

(復元骨格 北九州市立自然史・歴史博物館蔵)

地学担当 辻野泰之

シーラカンスは、古生代(こせいだい)デボン紀後期~中生代白亜紀(ちゅうせいだいはくあき)後期(3億6500万年~7500万年前)の地層から化石として産出し、新生代(しんせいだい)の地層からは発見されていないため、白亜紀末(約6500 万年前)に絶滅(ぜつめつ)したと考えられていました。しかし、1938年に南アフリカ共和国で生きたシーラカンスが捕獲(ほかく)され、世界的なニュースになりました。

マウソニア・ラボカティ(Mawsonia lavocati)は、1963年にモロッコの白亜紀前期の地層から発見されたシーラカンスです。その際、発見されたのは下顎(かがく)の一部の骨でしたが、その後、アルジェリアとモロッコから頭の骨が報告されました。また、モロッコで発見された化石の中にシーラカンスとして世界最大のものがあり、ブラジルで発見された同じグループの全身骨格化石をもとに復元したところ、全長3.8m にも達することが判明しました。

この標本は、2008年夏に北九州市立自然史・歴史博物館の「シーラカンス展-ブラジルの化石と大陸移動の証人たち-」で初公開され、このたび巡回展として当館でも展示されます。

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