狸(タヌキ)顔のケモノたち【情報ボックス】
動物担当 佐藤陽一
タヌキは人里近くにすむイヌ科の中型の哺乳類です。
徳島県ではもっともなじみの深いケモノの一つです。たくさんの伝説や民話に登場したり、狸大明神として信仰の対象にもなっています。でも、実際にその姿に接し、その顔をよく見たことのある人は、意外に少ないかもしれません。ふくよかでとぼけた顔の人を、俗に狸顔といいますが、ケモノの中でもタヌキとよく間違えられるものがいます。
今回は徳島県に生息する狸顔のケモノたちをご紹介します。いずれもネコ目(食肉目)に属し、昆虫やネズミなど小型の動物を主体とした雑食性です。
タヌキ
イヌ科のケモノで、シベリアからベトナム北部まで分布します。日本には北海道にすむエゾタヌキと本州・四国・九州にすむホンドタヌキの2亜種がいます。共同トイレ(ため糞場)を利用します。
ハクビシン
ジャコウネコ科のケモノで、本来の分布域はチベットやインド、東南アジアから中国南部にかけてです。日本では1940年代に静岡県で確認され、現在では本州中部以西と四国では普通に見られます。木登りが得意で、ミカンなど甘い果実も大好きです。
アナグマ
イタチ科のケモノで、ユーラシア大陸北部~中部にかけて分布します。日本では本州・四国・九州に分布し、北海道にはいません。穴掘りが得意で、長いトンネルを掘ってくらします。タヌキと共にムジナ・マミなどと呼ばれることもあります。
アライグマ
アライグマ科のケモノで、本来の分布域は北~中央アメリカです。日本へはおもにペットとして持ち込まれ、各地で野生化しました。徳島県でも1994年に鳴門市で初めて確認されました。農作物を食害するだけでなく、他の小型鳥獣を食べたり、タヌキなどの在来のケモノとエサやすむ場所をめぐって競合します。また、人や他の動物に感染症をもたらすおそれがあります。
狸顔のケモノたちを展示します!
部門展示
里山のケモノ-狸と狐-
会期
2009年12月1日(火)~ 2010年2月14日(日)
休館日
毎週月曜日〈ただし、1/ 11(月・祝)は開館、1/ 12(火)が休館〉
年末年始〈 12/ 28(月)~1/ 4(月)〉
会場
博物館常設展示室内 部門展示室(2 階)
展示解説
2010 年1 月11 日(月・祝)・2 月14 日(日)14:00 ~14:30