博物館ニューストップページ博物館ニュース084(2011年9月25日発行)Q.ピカピカに光る銅鐸や青銅鏡が展示されていますが・・・(084号QandA)

Q.ピカピカに光る銅鐸や青銅鏡が展示されていますが、あれはホンモノですか?【レファレンスQandA】

保存科学担当 魚島純一

A.常設展示の部分的なリフレッシュに伴い、総合展示「ムラからクニへ」の銅鐸の展示コーナーと古墳の展示コーナーに、ピカピカの銅鐸と顔を映すこともできる青銅鏡の展示をはじめました。

復元銅鐸の展示(左が復元銅鐸、右は復元鋳型)

復元銅鐸の展示(左が復元銅鐸、右は復元鋳型)

復元青銅鏡の展示(左は出土した青銅鏡の複製)

復元青銅鏡の展示(左は出土した青銅鏡の複製)

青緑色に錆(さ)びた銅鐸が多く並ぶ展示ケース内に、一つだけピカピカの銅鐸が展示されているので違和感を持たれたことでしょう。あの銅鐸は、実物資料(ホンモノ)ではなく、実物の銅鐸をくわしく調査した結果をもとに、見た目はもちろん、材料も忠実に再現してつくられた「復元品(ふくげんひん)」です。遺跡(いせき)から出土する銅鐸は長い間地中に埋(う)まっていたために、サビで覆(おお)われ、青緑色に見えますが、もとは復元品のような金色に輝いていたのです。

青銅鏡も同じく材料を再現して作られたものです。古墳などから出土する青銅鏡は、裏面にさまざまな文様(もんよう)や銘文(めいぶん)が描かれているため、博物館などでは、ほとんどの場合裏面を見せるように展示しています。時々、「どうしてあんなモノが鏡なの?」と言う質問を受けることがありますが、錆びる前の表面(鏡面)は、展示されている復元品のように、顔を映すことができるものだったのです。

復元品と似たものにレプリカ(複製品(ふくせいひん))がありますが、レプリカは実物資料(ホンモノ)から型取りして、見た目を忠実に再現した資料です。それに対して、復元品は実物資料の本来の姿を再現したもので、レプリカとは異なります。

銅鐸や青銅鏡のつくられた当時の姿を見て、その時代の人びとに思いをはせてみてはいかがでしょうか。

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