園瀬川ではじめての発見 絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)「カジカ」【表紙】
動物担当 佐藤陽一
この写真の個体は、博物館のすぐ前の園瀬川において、今年の7月28日に採集されたものです。博物館では毎年この時期この場所で、野外自然かんさつ「川魚かんさつ」を行っているのですが、今回初めて参加者のタモ網(あみ)に入りました。吉野川水系としては約40年ぶりの確認、園瀬川としては初記録となりました。
小卵型カジカの生息地は、現在、四国では那賀川(なかがわ)わ下流域だけです。小卵型は回遊魚(かいゆうぎょ)で冬に川で産卵し、仔魚(しぎょ)はいったん海に下り、春に再び川に上ってきます。あまり移動するとは考えられないのですが、今回の園瀬川のカジカは、那賀川で生まれた個体が上ってきたのかもしれません。