馬の出る祭り【野外博物館】

民俗担当 庄武憲子

9月から11月にかけて、県内各地の数多くの神社で秋祭りが行われます。各地域それぞれ、特色のある祭りが行われていると思いますが、多くの場合、祭りの中心は神輿(みこし)の巡幸(じゅんこう)に置かれているのではないかと思います。

表紙でも紹介したとおり、阿南市新野町(あなんしあらたのちょう)の轟(とどろき)神社では、かつて神輿の巡幸に、きれいに飾り付けられた馬に「羽根衣装(はねいしょう)」という独特の衣装を着けた者が騎乗(きじょう)し随行(ずいこう)していたとされます(図1、2、3)。神山町(かみやまちょう)の二宮八幡神社(にのみやはちまんじんじゃ)の祭りでも、和式の馬具とともに、図と類似した羽根衣装を所蔵しているお宅があり、同じような習わしがあったのではないかと考えています。

図 1、2、3 昭 和 52 年(1977)10 月 24 日、25日に行われた阿南市轟神社の祭りの様子。 (写真提供:呉羽幸良)

図 1、2、3 昭和52年(1977)10月24日、25日に行われた阿南市轟神社の祭りの様子。
(写真提供:呉羽幸良)

現在、県内で実際に馬が祭りに登場するのを目にする機会は少ないのですが、平成25年10月6日(日)に行われた、勝浦町(かつうらちょう)の大宮八幡神社(おおみやはちまんじんじゃ)の祭りで、馬が出ているのを撮影する機会を得たので紹介したいと思います(図4)。馬を出さなくなって、替(か)わりに馬の幟(のぼり)が出ていたのですが(図5)、近年馬を借りて、神輿が巡幸する地区を一緒に回るようにしたそうです。

図 4 平成 25 年(2013)10 月 6 日、勝浦町大宮八幡神社の祭りに登場した

図 4 平成25年(2013)10月6日、勝浦町大宮八幡神社の祭りに登場した

図 5 平成 25 年(2013)10 月 6 日、勝浦町大宮八幡神社の祭り。実際の馬の替わりとして出るようになった幟のひとつ。

図 5 平成25年(2013)10月6日、勝浦町大宮八幡神社の祭り。実際の馬の替わりとして出るようになった幟のひとつ。

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