アダンソンオキナエビス Entemnotrochus adansonianus バミューダ諸島産【表紙】
地学担当 中尾賢一
オキナエビス類は、古生代から中生代にかけて繁栄した巻貝のグループです。現生種は20 数種で、水深200~3,000mの深海(漸(ぜん)深海帯)に生息し、海綿(かいめん)などを食べています。稀少(きしょう)で貝殻(かいがら)が美しいので、コレクターや愛好家から人気があるグループのひとつです。
オキナエビス類は共通して殻口(かくこう)に切れ込みがあり、これを利用して呼吸や排泄(はいせつ)などを行っています。アワビの貝殻にも同じ機能をもつ穴があり、巻貝の原始的な形質のひとつとされています。
アダンソンオキナエビスは、バミューダ諸島から西インド諸島、ブラジルにかけて分布する稀産種のオキナエビス類です。標本を売っている店から貝殻標本を入手することができますが、たいへん高価です。
7月18日から開催する特別陳列「シェルズ」では、これらの貴重な貝も展示します。無料ですのでこの機会に、ぜひご覧ください。