博物館ニューストップページ博物館ニュース099(2015年6月25日発行)アダンソンオキナエビス バミューダ諸島産(099号表紙)

アダンソンオキナエビス Entemnotrochus adansonianus バミューダ諸島産【表紙】

地学担当 中尾賢一

オキナエビス類は、古生代から中生代にかけて繁栄した巻貝のグループです。現生種は20 数種で、水深200~3,000mの深海(漸(ぜん)深海帯)に生息し、海綿(かいめん)などを食べています。稀少(きしょう)で貝殻(かいがら)が美しいので、コレクターや愛好家から人気があるグループのひとつです。

アダンソンオキナエビス Entemnotrochus adansonianus バミューダ諸島産

オキナエビス類は共通して殻口(かくこう)に切れ込みがあり、これを利用して呼吸や排泄(はいせつ)などを行っています。アワビの貝殻にも同じ機能をもつ穴があり、巻貝の原始的な形質のひとつとされています。
アダンソンオキナエビスは、バミューダ諸島から西インド諸島、ブラジルにかけて分布する稀産種のオキナエビス類です。標本を売っている店から貝殻標本を入手することができますが、たいへん高価です。

7月18日から開催する特別陳列「シェルズ」では、これらの貴重な貝も展示します。無料ですのでこの機会に、ぜひご覧ください。

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