唐松に麒麟図【表紙】

美術工芸担当 大橋俊雄

唐松(からまつ)の枝がのびる渓流(けいりゅう)のそばに、空想上の動物である麒麟(きりん)がたたずむ絵です。2枚の画面に写し取られ、緑色のみがほどこされています。徳島藩(はん)の狩野派(かのうは)の絵師(えし)である矢野家に伝わりました。
矢野家は、絵手本や模写(もしゃ)のリストである『絵本目録覚(えほんもくろくおぼえ)』を残しています。そのなかの「衝立杉戸(ついたてすぎと) 」 のところに、「唐松ニ麒麟 三間二枚立テ 惟信」とあります。もとの絵は、師(し)にあたる狩野養川院惟信(かのうようせんいんこれのぶ)がえがいた杉戸絵です。秋の企画展『徳島藩絵師のすがお-伝えられた絵手本や写しから-』(10月22日~11月20日)で展示します。

唐松に麒麟図

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