学校教育とつながる博物館~教員のための博物館の日~【情報ボックス】
企画担当 真鍋憲人
「とてもよい研修会でした。もっと早く参加しておけばよかった。」「今年は社会科コースに参加したので、来年は理科コースに参加します。」
この言葉は、ある催し物を終えての参加者の声です。その参加者とは「学校の先生」です。徳島県立博物館では、年に一度、学校の先生を対象に「教員のための博物館の日 in 徳島」を開催しています。博物館を学校教育に役立ててほしいという願いから始まり、今年で4回目となります。
学校が夏休みに入った7月27日、19名の先生方が当館に集まりました。先生方の校種は、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校と広範囲にわたっています。隣接する鳥居龍蔵記念博物館の学芸員を含め、16名の学芸員が先生方と一日交流する時間をもちました。
「授業に役立つ博物館の使い方」を7つ紹介した後、次の活動を行いました。 まず、常設展示室の解説です。理科コース(徳島の自然)(図1)と社会科コース(徳島の歴史)(図2)に分かれ、各学芸員が担当展示物をそれぞれ解説しました。先生方は、中世の板碑や徳島城と歴代藩主の話など、展示物に秘められた出来事をうなずきながら、またメモを取りながら興味深く聞き入っていました。
図1 常設展示室でナウマンゾウの解説
図2 常設展示室で中世の石造物「板碑」の解説
図3 歴史民俗収蔵庫で火縄銃に触れる
図4 学校用貸し出し資料「いろいろな種子」
次に、「博物館の裏側」の見学ツアーです。歴史民俗収蔵庫(図3)や生物収蔵庫など、普段は見ることができない部屋を1階から4階まで案内しました。
最後に、当館が学校に貸し出している資料を紹介しました。先生方は、10のブースから思い思いに興味のある資料、例えば、白亜紀化石や復元青銅器、いろいろな種子(図4)などに実際に触れながら担当学芸員から説明を聞いたり質問したりしました。
研修会を終え、冒頭のような言葉を掛けていただき、先生方が徳島の歴史や自然のすばらしさをより感じてくれた1日になったのではないか、と思います。
来年度も、たくさんの学校の先生が、この催し物(研修会)に参加し、学校教育と博物館がより一層つながっていくことを願っています。