人面付石棒【表紙】
歴史担当 長谷川賢二
石棒(せきぼう)は男性を象徴する儀礼(ぎれい)的なものと考えられています。この資料は縄文時代晩期に作られ、頭部にかわいい顔が彫刻された珍しい石棒です(53mm×46mm)。これをモチーフにした陸前高田市立博物館(岩手県)の公式マスコットが「せき坊」です。
2011年3月11日、東日本大震災における大津波により、同館では多数の資料が壊滅(かいめつ)的な被害を受けました。この石棒もその一つで、被災から1か月半が過ぎた頃、レスキュー活動の中で発見され、劣化(れっか)を防ぎ安定的に保管できるよう処置されました。
特別陳列「よみがえる、ふるさとの“たからもの”」(2017年12月16日~ 2018年1月21日)では、大津波に被災した後、修復(しゅうふく)・再生(さいせい)された様々な資料を紹介します。