鳴門市堂の浦のテグス行商【表紙】
民俗担当 磯本宏紀
図1は鳴門市瀬戸町堂浦(どうのうら)で撮影されたテグスなどの漁具を売り歩く行商用の船です。瀬戸内海沿岸地域から九州北部地域を漁具の行商でまわっていました。堂浦では全国に先駆けてテグスを漁に使い始め、西日本各地に出漁し、テグスの製造と使用の技術を普及させたとされます。
図1 鳴門市瀬戸町堂浦のテグス行商船
ところで、図1の船には長い竹棒が立てられ、その先に湾わん曲きょくした紐ひも状のものがぶら下がっているのを確認できます。これは図2のカンパと呼ばれるテグス行商の看板にあたるもので、針金の先にテグスの束を結び付けて商売の目印 にしていました。
企画展「阿波漁民ものがたりー海を渡り歩いた漁師たちの5つの話ー」では、堂浦のテグス行商について紹介します。
図 2 カンパ(瀬戸内海歴史民俗資料館蔵)