徳島県勝浦町産の獣脚類恐竜の脛骨化石【表紙】
地学担当 辻野泰之
2018年春に徳島(とくしま)県勝浦(かつうら)町の白亜紀(はくあき)前期の地層において、恐竜化石含有層(がんゆうそう)が発見されたことから、同年冬(11月28日~12月16日)に、徳島県立博物館が中心となって緊急発掘調査を実施しました。その調査の結果、恐竜化石を含む47点もの脊椎動物(せきついどうぶつ)化石が発見されました。
岩石から取り出され、補修された脛骨化石 長さは、約19.5 cm
獣脚類のイメージ(参考:白亜紀後期の獣脚類ヴェロキラプトル) (画提供:山本 匠)
写真の化石は、発掘調査で発見された獣脚類(じゅうきゃくるい)の左脛骨(けいこつ)(左脚あしのすねの骨)化石です。成体(大人)あるいは、幼体(子ども)なのかは、現段階で不明ですが、全長2メートルほどの獣脚類と推定されます。獣脚類の多くは、肉食であることから、この脛骨化石の持ち主も肉食恐竜であった可能性があります。
この獣脚類の脛骨化石は、令和元年度の夏の企画展「とくしまの恐竜時代」にて公開します。