海道をゆく -黒潮のはこんだもの-【企画展】
日本の代表的な民俗学者の柳田國男は“稲”と“子安貝”の伝播と分布から、日本文化の淵源を探求し、日本民族文化の源流を南方に求め、その流れを「海上の道」と呼びました。
黒潮が、生物の移動だけでなく人やそれに伴う文化の移動に重要な貢献をしてきたことは間違いないと思われ、徳島の生物や民俗文化の成立基盤の一端を探るために、黒潮の洗う地域の民俗文化や生物相と比較してみることは大切なことです。
本企画展では、フィリピンや沖縄から南九州へと渡ったと思われる丸ノミ型石器や磨製石斧、貝類の加工品等の資料を中心に、人々が黒潮に乗って北上した時代を紹介します。また、逆に南へと向かう時代の資料もあわせて紹介して、黒潮が海洋民族の移動に影響したことを示します。
同時に、南西諸島から四国南部、紀伊半島などに黒潮の影響を受けた分布をしていると考えられる植物や動物なども紹介します。また、南西諸島の島々や南九州の自然、人々のくらしをとりあげ、そこの生物、民俗文化および徳島にも関わると考えられる資料なども紹介します。
展示の内容
○海上の道はあったのか
○イネの来た道
○黒潮のはこんだもの
○黒潮反流
○まれびとの系譜
○琉球弧
開催期間
2002年7月20日(金)~9月1日(日)
月曜休館(ただし8月12日は臨時開館します)
開催時間
午前9時30分~午後5時
観覧料
一般 200円(160円)
高校・大学生 100円(80円)
小・中学生は無料
( )は20名以上の団体料金
学芸員による黒潮トークと展示解説
8月28日(日)隆起を続けるサンゴ礁の島ー喜界島ー:中尾賢一
8月4日(日)植物の目から見た黒潮の道:小川 誠
8月11日(日)コメの渡来ルート:茨木 靖
8月18日(日)イモの祭りー根栽農耕文化と黒潮の道ー:庄武憲子
8月24日(土)本土と南西諸島のヤスデ,貝,かに: 田辺 力
8月25日(日)南島の熊野信仰:長谷川 賢二
9月1日(日)昆虫と黒潮の道:大原賢二