博物館ニューストップページ博物館ニュース007(1992年7月10日発行)Q.鬼瓦(おにがわら)は、・・・・(007号QandA)

Q.鬼瓦(おにがわら)は、いつごろからつくられるようになったのですか、また、どのような意味があるのでしょうか?【QandA】

歴史担当 長谷川賢二

A.瓦葺きの建物に、鬼瓦が取り付けられてい ることが多いのは、よく知られているでしょう。当館の常設展示室にも、徳島城に使われてい芝鬼瓦があります。
鬼瓦の名称は、鬼の顔を正面に入れてあることに由来しますが、こうした瓦は7世紀頃に現れ、8世紀には各地に広まっていたようです。平城京などにあった古代の役所や寺院の跡からも、鬼瓦が見つかっています。


では、鬼瓦にはどのような意味があるのでしょうか。今でも、節分には「鬼は外、福は内」と声をかけながら、豆をまきます。こうしたときに意識されている鬼は、私たちのくらしをおびやかす邪悪な力をもつ存在です。そのような鬼のイメージは、鎌倉時代の絵巻物『春日権現験記絵(かすがごんげんけんきえ)』などにみることができます。しかし、鬼瓦の鬼はその逆で、家屋に入りこもうとする災いを追い払う力をもつ善神として意識されたものでした。恐い顔の鬼瓦も、日々の暮らしの安全を祈るための一つの方法だったのです。

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