さまざまなものにブラックライト(紫外線)を当てて発せられる蛍光を観察します。Photoluminescenceとも言います。動植物、岩石鉱物などいろいろなものが光ります。
ブラックライトの実験

ブラックライトでちょっと実験(準備編)

用意するものは、カメラ、ブラックライト、光らせるもの(今回はハサミ)、100円ショップで売られていたサングラスです。このサングラスは偏光レンズでできており、説明によると、可視光透過率13%、紫外線の透過率1%未満とのことでした。すなわち、普通の光もカットされるのですが、特に紫外線はほとんど通らないようになっています。100円ショップではこのほかにパソコンメガネが売られていて、そちらは可視光透過率94%、紫外線透過率15%以下となっておりました。ちょっと紫外線のカット率が悪いのでこちらは使いませんでした。
光らせる対象としてハサミを選びましたが、その柄がブラックライトでよく光るからです。今回の実験では紫外線をカットできているのか調べるのを目的としていますので、紫外線でよく光るものを選ぶ必要があります。
ブラックライトでちょっと実験(セッティング編)

今回はコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)であるオリンパスのTG-3を使いました。普段は一眼レフのカメラを使いますが、コンデジの方がレンズが小さいのでサングラスでカバーしやすいというのが理由です。コンデジは三脚に固定し、タブレットから操作して、長時間露出でもぶれないようにしました。
最初は、通常の光と紫外線の光に切り替えて撮影します。次に、ブラックライトやカメラの前に紫外線カットフィルタとして100均サングラスを置いて光り方を撮影します。
通常の方法で撮影
通常光とブラックライトに切り替えて撮影しました。ブラックライトは375nmの紫外線を発するLEDタイプのものを使いました。
通常の光
紫外線
ハサミの柄の部分がよく光っています。

紫外線により蛍光を発する。反射の場合は蛍光のところが紫外線になる。
ブラックライトの前に100均サングラスのレンズを置いてみる
ブラックライトの前に紫外線カットフィルタ(100均サングラスのレンズ)を置くとどうなるでしょうか。
ブラックライトの前にフィルタ
フィルタにより紫外線がカットされる
紫外線カットフィルタにより紫外線がカットされるので、対象物に紫外線が届かない。よって蛍光を発しないので真っ暗に映る。
カメラの前に100均サングラスのレンズを置いてみる
今度はカメラの前に紫外線カットフィルタ(100均サングラスのレンズ)を置いてみます。先ほどとどう違うのでしょうか?
カメラの前にフィルタ
紫外線は蛍光となり、ハサミが光る
おわかりいただけたでしょうか、ハサミの柄がうっすらと光っています。
紫外線があたって発せられる蛍光は目に見えますので可視光になります。このフィルタの場合、カメラの前の紫外線カットフィルタでは、紫外線はほとんどカットされますが、可視光の13%は通過しますので、蛍光が暗くはなるものの見えることになります。逆に、ハサミの柄が反射で光っているのなら、反射した光も紫外線なのでフィルタでカットされ見えないはずです。以上の実験から、このハサミは、紫外線により蛍光を発していることがわかります。また、これらの現象から、100円(税別)の安いサングラスですが、スペック通りの透過性能(紫外線はほとんどカット、可視光は1/10以下で透過)を持っているように見えます。
現在、精密なフィルターを手配しており、透過する波長とその割合がはっきりした製品を使って再実験する予定です。