さまざまなものにブラックライト(紫外線)を当てて発せられる蛍光を観察します。Photoluminescenceとも言います。動植物、岩石鉱物などいろいろなものが光ります。
モンシロチョウの光り方


モンシロチョウに紫外線を当てると
モンシロチョウは、教科書にも載っている身近に見られる昆虫の代表です。これに紫外線を当てるとオスとメスで光り方が違います。

いままで紹介してきたものは、紫外線を当てると蛍光を発して光るというものでした。モンシロチョウの場合は紫外線を照射しても蛍光を発するのではなく、反射の仕方に違いがあってオスとメスで光り方が違っています。これは羽の鱗粉の構造の違いによるものと言われています。メスの鱗粉は紫外線を反射する構造となっていて、オスは紫外線を吸収してしまう構造なので、オスの方が暗く見えるとのことです。
昆虫は人が見えない紫外線の領域が見えていると言われています。虫は私たちが見ている世界とは違う光景を見ているということになり、とても不思議ですね。
普通の光とブラックライトを当てた画像では...
通常の光(左がメス、右がオス)
紫外線を当てて通常のカメラで撮影(左がメス、右がオス)
上の写真は、モンシロチョウに紫外線を当てて、普通のカメラで撮影したものです。普通のカメラでは紫外線は撮影できませんので、メスが光って見えるのは紫外線の反射ではないようです。
別の標本で見てみましょう。
通常の光(左がメス、右がオス)
紫外線を当てて通常のカメラで撮影(左がメス、右がオス)
原因は不明ですが、上の標本とはオスの光り方が違います。
紫外線を当てて紫外線が映るカメラで撮影(左がメス、右がオス)
紫外線は普通のカメラでは映りません。撮影用に改造したカメラと紫外線を通すレンズで撮影しました。昆虫は紫外線が見えるといわれており、オスは紫外線を吸収して暗く、メスは紫外線を反射して明るく見えているようです。