さまざまなものにブラックライト(紫外線)を当てて発せられる蛍光を観察します。Photoluminescenceとも言います。動植物、岩石鉱物などいろいろなものが光ります。
葉っぱが光る
葉っぱにブラックライトを当てると...
葉っぱにブラックライトを当てると赤く光る場合があります。
葉っぱはだいたい緑色をしていますが、これにブラックライトを当てると赤くなる場合があります。
これは葉っぱの表側と裏側でも違いますし、夜や暗い場所においてあったものと、昼や明るい場所にあったものとでも違います。ではこれがなぜ起こるのか考えてみましょう。
ここから先は、筆者の考えで、検証がされていない部分も多いので、不正確なこともあります。みなさんが実際にやって確かめてください。
葉っぱに光を当てると...
夕方の日がかげり始めたころのウチワゼニグサにブラックライト照射すると葉の裏が赤みを帯びています。日中のタンポポのロゼット葉(地面にぴったり張り付いた葉)にブラックライトを照射しても裏側が表側より赤みを帯びていることがあります。
葉をもんで、水とアルコールの中に入れてブラックライトを当てると..
緑の葉っぱ(ここではヨモギの葉)をよくもんで、水とアルコールの中にそれぞれ入れます。それらにブラックライトを当てると光り方に違いがあります
アルコールに漬けたものが真っ赤に光っているのがわかります。
葉っぱをもんだものをアルコールに漬けると、緑色になります。これはクロロフィル(葉緑素)がアルコールに溶け出しているからです。水にはとけませんので、緑色にはなりません(葉をこまかく砕くと緑色になります)。
この実験は100円ショップで秘密ペンやマジックペンとして売られている、簡易のブラックライトでもできますし、アルコールも100円ショップのマニュキュアの除光液(アセトン入り)でも代用できます。
これらのことから考えらるのは、ビタミンB2のように、水溶性のものが光っているのではないということです。アルコールに溶けるクロロフィルが光っていると思われます。
次に前の実験で、葉の裏側が光ったり、暗い場所においたものが光ったりと光合成に関係していることが推察されます。
アルコールは光合成をつかさどる酵素の働きを阻害するので、光合成ができなくっていると思われます。また、暗いところに置いたものや葉の裏側は、光合成を止めている(光合成の不活性化)が起こっていると思われます。光合成は、簡単に言うと、クロロフィルで光のエネルギーを取り込み、水と二酸化炭素ででんぷんを作る作業です。光合成ができない場合は、クロロフィルに取り込まれた光のエネルギーは使われることがないので、蛍光として排出されていると思われます。実際に紫外線以外でも光が強すぎる場合も、エネルギーが余るのでクロロフィルは蛍光を出しているます。
参考: クロロフィル蛍光で検索
では、今までのことを元に、どのような状態になれば光るのか試してみましょう。次の2つの仮説を立ててみました。
①光合成の不活性化
②光合成の時に働く酵素を阻害
①については、暗くするなど光をさえぎってやるとよいでしょう。アサガオの葉ででんぷんが作られているか調べる実験のようにアルミホイルで葉の一部を包んで光をさえぎるのも一つの方法です。
②については酵素はタンパク質なので、温度(60度以上で変性)、ph(酸性の液につける)、温度(冷凍する)などを試してみるとよいでしょう。その推測に基づいてホウレンソウをゆでたものについて調べて見ました。
検証:高温で処理した葉は光るのか?
葉を高温でゆでると光合成の時に働く酵素が変性して阻害されるので光合成はストップします。紫外線を当てるとエネルギーがあまるので蛍光を発すると思われますが、結果は次のとおりです。
とりあえず、仮説のとおり蛍光を発しています。みなさんのところではいかがでしょうか?