企画展ミネラルズ

岩石をつくる鉱物

◆ 輝石Pyroxene

図2-17
普通輝石
【佐賀県伊万里市西ヶ岳 画面中央の結晶の長さ1.7cm】
一部に双晶した結晶も見られる。
図2-18
クロム透輝石
【フィンランド 左右 9cm】
図2-19
ひすい輝石
【新潟県糸魚川市小滝 左右 16cm】
研磨面。

火成岩 (かせいがん) 変成岩 (へんせいがん) に多く見られる鉱物グループです。カルシウム、マグネシウム、鉄などを含んでいます。結晶構造により、2つのサブグループ(単斜輝石 (たんしゃきせき) 斜方輝石 (しゃほうきせき) )に大別されます。

普通輝石 (ふつうきせき) は単斜輝石のひとつで、黒っぽい色をした短柱状 (たんちゅうじょう) をしています。安山岩 (あんざんがん) などによくみられます。母岩が適度に風化している場合、図2-17のように単体で取り出すことができます。また、ひとつの安山岩の中に、普通輝石と斜方輝石の両方が見られることもあります。

透輝石 (とうきせき) は単斜輝石の一種で、これも特に珍しい鉱物ではありません。クロムを含んで緑色になった透輝石はクロム透輝石とよばれています(図2-18)

ひすい輝石(翡翠 [ひすい] 硬玉 [こうぎょく] )(図2-19)も単斜輝石の一種です。鉱物本来の色は白色で、宝石として重要な緑色は、ひすい輝石の中に含まれる不純物や他の鉱物の混入によるものです。ひすい輝石の産出は世界的に見ても限られています。国内では、新潟県糸魚川 (いといがわ) 市小滝および青海 (おうみ) 町が美しいひすいを産出する場所として知られており、天然記念物に指定されています。