企画展ミネラルズ

鉱物のものさまざまな性質

◆ 電気石Tourmaline

図3-17
鉄電気石
【ブラジル 幅19cm】
二つの鉄電気石の結晶が、たまたまぶつかったもの。双晶ではない。
図3-18
苦土電気石
【オーストラリア 長さ2.5~3cm】
図3-19
リチア電気石
【アフガニスタン 高さ10cm】

硼素 (ほうそ) を含み、かなり複雑な化学組成を持った鉱物です。いくつかの種類があり、主要なものに鉄電気石(図3-17)苦土 (くど) 電気石(図3-18)、リチア電気石(図3-19)があります。6角または3角の柱状で、ガラス光沢があります。ペグマタイトや接触変成岩 (せっしょくへんせいがん) から産出します。色は化学組成によって異なり、黒、褐色 かっしょく) 、ピンク、緑色などさまざまです。多くは不透明 (ふとうめい) 半透明 (はんとうめい) ですが、透明で色が美しいものは宝石に加工されることもあります。

電気石の単結晶に圧力や熱を加えると、電気石の両端に静電気 (せいでんき) が発生します。これらの性質は圧力に関しては圧電性 (あつでんせい) 、熱に関しては焦電性 (しょうでんせい) とよばれています。電気石という少し変わった名前は、このような性質から来ています。

なお数年前、電気石(トルマリン)は“マイナスイオン”を発生させ空気や水を浄化させると宣伝されたことがありました。しかしこのような効果は、科学的には全く実証 (じっしょう) されていません。