企画展ミネラルズ

生物・化石と鉱物

◆ オパール化した貝化石Opal shells

図5-5
オパール
【オーストラリア、ライトニングリッジ 左右 2.5cm】
ブラックオパールとよばれる宝石質の石。

オパールは水を含んだ二酸化珪素の鉱物です。蛋白石 (たんぱくせき) (蛋白は卵白 [らんぱく] と同じ意味)ともいい、その名のとおり、多くはゆで卵の白身そっくりで白濁 (はくだく) しています。たまに (にじ) のような色を示す性質(遊色)のみられるものがあり、プレシャスオパール(またはノーブルオパール:図5-5)とよばれます。オーストラリアとメキシコが主要な産地で、上質なものは宝石に加工されます。日本人が特に愛好する宝石だそうです。

オーストラリア産のオパールは、主として堆積岩の中から見つかります。産地によっては、貝殻やクビナガリュウなどの脊椎 (せきつい) 動物の骨、植物の幹などの形をしたオパールが産出することもあります。これらは中生代白亜紀の化石です。

オパール化した貝化石は、貝殻が変質したり少しずつ置き換えられたものではなく、貝殻がいったん溶けて空洞 (くうどう) になったところに、オパールの成分を含む地下水が長時間しみこんでできたものです。したがって、貝殻の内部構造などは全く残っていません。

オパール化した貝化石の多くは白濁した普通のオパール(図5-6)ですが、遊色のみられるもの(図5-7)もあります。

図5-6
オパール化した貝化石
【オーストラリア、クーバーペディ 左右 16cm】
白っぽく濁った普通のオパール。
図5-7
オパール化した貝化石
【オーストラリア、クーバーペディ 殻の長さ 4cm】
一部に遊色がみられる。