鉱物のものさまざまな性質
◆ 菱マンガン鉱Rhodochrosite
図3-3
菱面体結晶の菱マンガン鉱
【アメリカ、コロラド州 左右9cm】
菱マンガン鉱は、ピンクから紅色で半透明の鉱物です。
菱面体(合同な菱形が6個集まってできる立体)の結晶(図3-3)もありますが稀で、多くは塊状・皮殻状・ぶどう状・層状の集合体として産出します。アメリカ合衆国や中南米に多産します。日本では、北海道や青森県にみごとな標本を産出した鉱山がありました。
菱マンガン鉱は、マンガン(乾電池の材料や、鋼・合金の添加物として使用される金属)の重要な鉱石のひとつです。また、色や模様の美しいものは加工してアクセサリーや工芸品として利用されています。特にアルゼンチンのもっとも古い鉱山から産出する、鍾乳石のように層状に積み重なったもの(図3-4)は、インカローズという名前でよばれることもあり、アメリカではたいへん人気があります。