企画展ミネラルズ

鉱物のものさまざまな性質

◆ 燐灰ウラン鉱Autunite

図3-24
燐灰ウラン鉱【フランス 左右9cm】
タングステンライトで撮影。
図3-25
燐灰ウラン鉱【フランス】
図3-24と同じ範囲をブラックライトで撮影。

物質の中には、紫外線 (しがいせん) をあてると通常とは異なった色を発するものがあります。紫外線のエネルギーによって一瞬高められた構成元素の電子のエネルギーが、その直後に元の状態(基底 [きてい] 状態)に戻る際によぶんなエネルギーを光として放射する現象で、このような光を蛍光 (けいこう) といいます。照射する紫外線の波長によっては、異なる蛍光が見られることもあります。この現象を利用した工業製品には、たとえば蛍光灯や筆記具の蛍光マーカー、洗剤の中の蛍光材などがあり、日常的に使われています。

燐灰 (りんかい) ウラン鉱は、うろこ状、薄い板状、皮膜 (ひまく) 状をした黄色〜黄緑色で、 (せん) ウラン鉱などウランを主成分とする鉱物が風化・変質してできます。鉱物の中にも蛍光を発するものがあり、種類などを見分けるのに役立ちます。燐灰ウラン鉱もこうした鉱物のひとつです。とくにこの鉱物は、比較的安価なブラックライト(長波長 [ちょうはちょう] の紫外線を発する特殊な蛍光灯)で鮮やかで強烈な黄緑色の蛍光がみられます。