企画展ミネラルズ

身のまわりの鉱物

◆ 緑柱石Beryl

緑柱石 (りょくちゅうせき) は、ベリリウムという元素を含んでいる6角柱状の鉱物です。名前と違って緑色とは限らず、宝石になるものだけでも緑色(エメラルド)、淡青色(アクアマリン)、ピンク(モルガナイト)、黄色(ヘリオドール)などさまざまな色があります。透明で美しいものは宝石として、それ以外のものはベリリウムの鉱石として利用されています。アクアマリン(図4-13)は主としてペグマタイト脈に含まれており、大きくキズのない結晶が得られます。熱処理してカットすることが多いようです。

エメラルド(図4-14,4-15)は、昔からとても高価な宝石です。緑色になるのは、含まれるクロムやバナジウムが原因です。変成岩や方解石脈から産出し、あまり大きな結晶はありません。天然産のものは、たいてい内部にヒビがあります。現在では、人工的に再結晶 (さいけっしょう) させたヒビのないものも作られています。

図4-13
緑柱石(アクアマリン)
【パキスタン 画面の左右長さ 12cm】
白雲母(白い薄板状結晶)と共生。
図4-14(左)
緑柱石(エメラルド)
【コロンビア、ムゾー鉱山 結晶の長さ3.2cm】
方解石脈中に埋もれている様子を再現して見せた標本。
図4-15
カットしたエメラルド
【ムゾー鉱山 左右0.8cm】
内部のヒビなどがよくわかる。