企画展ミネラルズ

岩石をつくる鉱物

◆ かんらん石Olivine

鉄とマグネシウムを含んだ鉱物で、両者の割合はいろいろ変化します。マグネシウムの多いものを苦土 (くど) かんらん石、鉄の多いものを鉄かんらん石といいます。ふつうは苦土かんらん石の方が多く、たいてい緑がかかった色をしています。一方、鉄かんらん石は暗褐色〜黒色です。

かんらん石を含んでいる主な岩石は、玄武岩 (げんぶがん) 斑糲岩 (はんれいがん) などの火成岩です。かんらん石を主成分とする岩石(かんらん岩)や、金属とかんらん石が入り混じった隕石 [いんせき] (石鉄隕石 [せきてついんせき] )もあります。玄武岩にはかんらん石のボール状集合体(オリビンノジュール)を含んでいることがあります(図2-25)。これはマントル物質であり、上部マントル(深さ100km〜200km)をつくる主要な岩石はかんらん岩であると考えられています。

かんらん石は高温に耐えることから、鋳物 (いもの) 用の砂としても使用されています。また、アップルグリーンの透明な大型結晶(図2-26)は研磨して、ペリドットいう名前で宝石として扱われます。

図2-25
苦土かんらん石(オリビンノジュール)
【アメリカ、アリゾナ州 左右9cm】
発泡した玄武岩の中に入ったオリビンノジュール。
図2-26
苦土かんらん石(ペリドット)
【パキスタン 最大個体の高さ2.4cm】
宝石質の大型苦土かんらん石。