身のまわりの鉱物
◆ 自然金Native gold
図4-11
自然金(山金)
【アメリカ、カリフォルニア州 高さ8cm】
図4-12
自然金(砂金)
【ベネズエラ 画面の左右長さ7cm】
金は、他の元素と結合して化合物となることは少なく、ふつうは単体で見つかります。鉱物としての金は自然金とよばれ、産状によって山金(鉱脈の中に含まれているもの)と砂金(金を含んだ鉱脈が浸食され、川の砂の中に沈積したもの)に大別されています。
山金の場合、かなり高品位の鉱石でも金の存在は肉眼的にはわからないことが多いのですが、例外的に大きな集合体をつくることがあります(図4-11)。ふつう山金は、不純物として多量の銀を含んでいます。
図4-12は大型の砂金で、なんとなく規則的な形をしています。一般に砂金は山金より純度がやや高いことが多く、多くの場合、山金と比べてみると砂金の方が「黄金色」に近い色をしています。
金は美しい黄色で光沢があり、錆びることはなく、ふつうの酸やアルカリには溶けません。またやわらかく、うすく延ばしやすく、電気をよく通します。金は古代から貨幣や金製品などの貴重品として使われてきました。現在でも装飾品・金貨のほか、金箔・メッキ・歯の治療の材料・電気部品の材料など、幅広い用途があります。